はじめに
トレンド系テクニカル指標であるMACD
上の記事でMACDの計算方法とビットコインをテクニカル分析するときのメジャーな使い方を紹介しました
この記事だけでは書ききれなかった事もあるので、MACDについてさらに詳しくまとめました
MACDとは
MACDはMoving Average Convergence , Divergence(移動平均収束発散法)の略で、「マックディー」と読まれます
MACDを一言で表すと、「移動平均線の進化版」です
MACDの計算式
MACDは3つの線からなります
MACD線(青) = 過去12日間EMA - 過去26日EMA
シグナル(黄色) = MACDの9日EMA
ヒストグラム(白) = MACD - シグナル
EMAとは、指数平滑移動平均のことです
EMAを使う理由は、移動平均線の仲間である単純移動平均(SMA)に比べて、感度が鋭いからです
EMAの計算方法や特性についてはこの記事に書きました
MACD線
MACDの3本線のうちの1つ、MACD線について詳しくみていきます
図の上側がろうそく足チャートと2本のEMA、下側がMACD線です
MACD線はこのような式で表されます
MACD線 = 過去12日間EMA - 過去26日EMA
この式より、過去12日間EMA>過去26日EMAの時、MACD線はプラスで、
過去12日間EMA<過去26日EMAの時、MACD線はマイナスになります
すなわち、MACD線は、EMA(指数平滑移動平均)のゴールデンクロス・デッドクロスを表していると言えます
2020年4月〜10月のビットコインの日足ろうそくチャートです
このように、短期EMA>長期EMA、すなわちゴールデンクロスの時、MACD線はプラス
反対に、短期EMA<長期EMA、すなわちデッドクロスの時、MACD線はマイナスです
赤丸(ゴールデンクロス)でビットコインを買って、青丸(デッドクロス)でビットコインを売れば、差分を利益として得ることができます
「MACD線を使えば、安く買って高く売れる!」「MACD線は優秀!」「MACD線だけで十分なのでは??」と思うかもしれません
しかし、このMACDの使い方次第で、もっと利益を出すことができるのです
例えば、青色ではなく、緑色のところで売っていれば、利益はもっと大きくなると思いませんか?
MACD線のグラフを見ると、MACD線が一番大きいところで売っていれば、より利益を出せたことになります
この理由を考えてみます
MACD線 = 過去12日間EMA - 過去26日EMA
MACD線は、短期移動平均線と長期移動平均線の差を表しています
短期移動平均線と長期移動平均線の差が一番大きいところ、すなわち、MACD線が一番大きいところは、最も上昇トレンドが強いところです
MACD線が一番大きいところは、最も上昇トレンドが強いところから、少しずつトレンドが弱まってくるところとも考えることが出来ます
なので、MACD線が一番大きいところ、すなわち短期移動平均線と長期移動平均線の差が一番大きいところで売るのがベストと言えます
ここで活躍するのがMACDシグナルです
MACDシグナル
MACDシグナルは以下の式で計算されます
シグナル = MACD線の9日EMA
MACD線とMACDシグナルのクロスに注目します
MACD線とMACDシグナルのクロスを見ると、MACD線が一番大きいところ、すなわち長期移動平均線と短期移動平均線の差が一番大きいところを判断することができます
長期移動平均線と短期移動平均線の差が一番大きいところは、トレンドが鈍ってきた合図と考えることができます
トレンドが上昇から下落に逆転するところよりも前に、上昇トレンドが鈍ってきた時に売りの判断ができるため、利益を多く取ることができます
このように、MACD線>MACDシグナルとなるクロスをMACDのゴールデンクロス
MACD線<MACDシグナルとなるクロスをMACDのデッドクロスと呼び、
それぞれ買いシグナル、売りシグナルとして使います
MACDヒストグラム
MACDヒストグラムは下のような式で表されます
ヒストグラム = MACD線 - シグナル
MACD線とMACDシグナルのゴールデンクロスとデッドクロスを表すもので、おまけ程度に考えていいと思います
まとめ
MACD線は指数平滑移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスでできている
MACD線の山の頂上=トレンドが鈍ってきたとことを判断するために、MACDシグナルを使う
MACD線とMACDシグナルのゴールデンクロス・デッドクロスを買いシグナル(売りシグナル)とする
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